『みどりの未来』への提案


(開かれた議会シンポジウムでの発言ビデオ)

 『みどりの未来』は今までの既成政党とは大きく異なるという事を強く国民にアピールしなければなりません。その時のキーセンテンスは「民意と男女構成比 率を反映した議会や地方行政システムの早急な実現」です。私たち1人ひとりの考え方が良い方向にたとえ変わったとしても、選挙制度を始め諸々の行政システ ムが変わらなければ恒常的な改革へと向っていかず、一時的な最低限の変化に留まってしまったのが、今に至る私たちの失敗なのです。そこを乗り越える方向性 を示し実現させてゆく所に『みどりの未来』の存在意義があるのだと思います。そこで注目ポイントを箇条書きにしてみます。

(1) 私たちは男女1名ずつの共同代表制を採っていることを強調しつつ、男女共同参画の推進をはかるための政策の1つとして「地方議会議員選挙を比例代 表制にします」という国民的合意形成のための努力を最大限につくすという事です。中途半端に訴えているだけでは、2大政党制を良しとする国民世論からは、 単に「変り者集団」と決めつけられて冷笑されるだけです。ヨーロッパ政治の流れをくむ私たちとしての存在を示すためにも、徹底的に現行法選挙制度の弊害を 懇切ていねいに国民に示し、ヨーロッパのように国民的負担が少ない省エネ選挙制度を示しながら、私たちの主張を展開していくべきだと思います。

(2) 現行の首長・議会による二元代表制がいいか、北・西欧のように議会が直接、地方議会の運営を担う一元代表制のほうがよりよいのか?地方自治体議員 が多く関わる『みどりの未来』としては、この議論の重要性を積極的に全国民に訴えるべきだと私は強く要望いたします。議論の大前提としては「地方議会議員 選挙は比例代表制で実施」とすること。つまり現状の地方議会勢力分布は民意をまったく反映しないものとして考える事が大前提なのです。日本の地方政治の貧 困・堕落を改めるためには、私は一元代表制の国民的合意形成に着手するべきだと考えています。2009年2月20日号の『自治日報』では愛知県の前犬山市 町である石田芳弘氏が「今こそ地方議会改革」という題名で一元代表制の支持を表明して「法律を改正し、地方の統治機構を議院内閣制にすることが、日本再生 の一つの鍵だと強く信ずるものである」(前出の自治日報紙より)と明確に述べています。同様に2008年8月3日に『みどり千葉』の学習会に石田芳弘氏を お招きして講演会を開催、その時の記録が本人の了解を得て『Greens千葉』第10号に掲載、見出しに「地方議員は比例代表制で実施、市の部長職は議員 が兼職で」となっています。なお、両方の全文は私のホームページfusao.jpでご覧ください。

(3) ヨーロッパ先進国に実現されている程度の人権や社会保障を日本で実施するためには「政治・経済・社会運営にかかるすべての権力を男女に割り当てる クオータ(quota)制が必要不可避なのです。『みどりの未来』として積極的に取り上げて下さい。三井マリ子氏のレポート(2008.12.19、 JanJanニュースより)によると「ヨーロッパの私企業における取締役会への女性進出度として(1位)ノルウェー44.2%、(2位)スウェーデン 26.9%、(3位)フィンランド25.7%。」

 (1)(2)(3)のような事は日本ではまだ時期尚早で「日本では民主主義の成熟度が低くそこまで国民の意識が高くない」と一蹴していたのではいつに なっても住みよい社会は訪れない。『みどりの未来』こそ本気になって世論形成に尽力することを望んで止みません。

2009年3月1日 田口房雄